令和6年4月1日より点呼の録音録画が義務化されたことにより、実際の点呼の実施状況が可視化されました。点呼の録音録画の実施状況のみに注意をしてしまいがちですが、実施している内容も見直してください。録音録画はきちんとされていても、それによって確認された結果、点呼として実施している内容が不適切であると判断されたケースが続出しております。
まずは法令のおさらいです。
旅客自動車運送事業運輸規則第24条
旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者又は特定自動運行保安員(以下「運転者等」という。)に対して対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。次項において同じ。)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならない。
一 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第47条の2第1項及び第2項の規定による点検の実施又はその確認
二 運転者に対しては、酒気帯びの有無
三 運転者に対しては、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
四 特定自動運行保安員に対しては、特定自動運行事業用自動車による運送を行うために必要な自動運行装置(道路運送車両法第41条第1項第20号に規定する自動運行装置をいう。)の設定の状況に関する確認
2 旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の業務を終了した運転者等に対して対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法により点呼を行い、当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について報告を求め、かつ、運転者に対しては酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。この場合において、当該運転者等が他の運転者等と交替した場合にあつては、当該運転者等が交替した運転者等に対して行つた第15条の2第8項第10号又は第50条第1項第8号の規定による通告についても報告を求めなければならない。
3 一般貸切旅客自動車運送事業者は、夜間において長距離の運行を行う事業用自動車の運行の業務に従事する運転者等に対して当該業務の途中において少なくとも1回対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(当該方法により点呼を行うことが困難である場合にあつては、電話その他の方法)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならない。
一 当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況
二 運転者に対しては、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
4 旅客自動車運送事業者は、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、第1項及び第2項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
5 旅客自動車運送事業者は、第1項から第3項までの規定により点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示をしたときは、運転者等ごとに点呼を行つた旨、報告、確認及び指示の内容並びに次に掲げる事項を記録し、かつ、その記録を1年間(一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては、その内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第26条第1項において同じ。)を3年間)保存しなければならない。
一 点呼を行つた者及び点呼を受けた運転者等の氏名
二 点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
三 点呼の日時
四 点呼の方法
五 その他必要な事項
6 一般貸切旅客自動車運送事業者は、第1項から第3項までの規定により点呼を行つたときは、その状況を録音及び録画(電話その他の方法により点呼を行う場合にあつては、録音のみ)して電磁的方法により記録媒体に記録し、かつ、その記録を90日間保存しなければならない。
7 一般貸切旅客自動車運送事業者は、第1項、第2項及び第4項の規定によりアルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無について確認を行うときは、当該確認に係る呼気の検査を行つている状況の写真(当該運転者を識別できるものに限る。)を撮影して電磁的方法により記録媒体に記録し、かつ、その記録を90日間保存しなければならない。ただし、当該状況を前項の規定により録画する場合はこの限りでない。
第1項が業務前点呼、第2項が業務後点呼、第3項が業務途中点呼の条文になっています。
第4項ではアルコール検知器の使用について定めています。
第5項が点呼の記録に関する条文で、貸切バス事業者のみ、電磁的記録にして3年間保存しなければならなくなっています。
第6項と第7項が貸切バス事業者にのみ追加された条文で、点呼の録音録画やアルコール検知器使用時の写真撮影について定めております。
合わせて解釈運用通達も見てみましょう。運輸規則については基本的に解釈運用通達とセットで参照することをお忘れなく。解釈運用通達の点呼の条文はすごく長いですがしっかりと押さえておいてください。
旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について 第24条 点呼等
(1) 業務前、業務途中及び業務後の点呼等の実施(第1項から第3項まで)
① 「運行上やむを得ない場合」とは、遠隔地で業務を開始又は終了するため、業務前点呼又は業務後点呼を運転者等が所属する営業所において対面で実施できない場合等をいい、車庫と当該車庫を所管する営業所が離れている場合、早朝・深夜等において点呼執行者が営業所に出勤していない場合等は「運行上やむを得ない場合」には該当しない。
ただし、一般乗合旅客自動車運送事業及び道路運送法(昭和26年法律第183号。以下「法」という。)第21条第2号による許可を受けた一般貸切旅客自動車運送事業について事業用自動車の車庫が営業所から「自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条第1号の規定に基づき運輸大臣が定める地域及び運輸大臣が定める距離」(平成3年運輸省告示第340号)第1項の表の上欄に掲げる地域ごとに同表の下欄中ただし書きに掲げる距離にある場合であって、運転者等が営業所以外の地で業務を開始又は終了することとなることにより、業務前点呼又は業務後点呼を所属する営業所において対面で実施できない勤務となる場合は、「運行上やむを得ない場合」として取り扱って差し支えないが、運行の安全を確保するうえで、対面による点呼が重要であることから、運行管理者等を派遣するなどできる限り対面で実施するよう指導すること。
また、点呼は営業所において行うことが原則であるが、営業所と車庫が離れている場合等、必要に応じて運行管理者等を車庫へ派遣して点呼を行う等、対面点呼を確実に実施するよう指導すること。
② 「その他の方法」とは、携帯電話、業務無線等により運転者等と直接対話できるものでなければならず、電子メール、FAX等一方的な連絡方法は該当しない。
また、電話その他の方法による点呼を運行中に行ってはならない。
③ 「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法」とは、以下をいう。
・「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法を定める告示(令和5年国土交通省告示第266号。以下「点呼告示」という。)」第2条において規定する遠隔点呼、業務前自動点呼及び業務後自動点呼
・輸送の安全及び旅客の利便の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、当該営業所の管理する点呼機器を用い、及び当該機器に備えられたカメラ、ディスプレイ等によって、運行管理者等が運転者の酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足等の状況を随時確認でき、かつ、運転者の酒気帯びの状況に関する測定結果を、自動的に記録及び保存するとともに当該運行管理者等が当該測定結果を直ちに確認できる方法
・一人で事業を行っている場合は、アルコール検知器を使った酒気帯び有無の確認や車両の日常点検等、第24条各号で定める事項を自ら確認し、運行の可否を判断する方法
④ ③に規定する「輸送の安全及び旅客の利便の確保に関する取組が優良であると認められる営業所」とは、次のいずれにも該当する旅客自動車運送事業者の営業所をいう。なお、同一営業所で複数の旅客自動車運送事業を行う場合には、国土交通大臣が定めた方法による点呼を行うこととする事業ごとに、当該事業について次のいずれにも該当するか否かを判断することとする。
(ⅰ) 開設されてから3年を経過していること。
(ⅱ) 過去3年間所属する旅客自動車運送事業の用に供する事業用自動車の運転者が自らの責に帰する自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号。以下「事故報告規則」という。)第2条に規定する事故を発生させていないこと。
(ⅲ) 過去3年間自動車その他の輸送施設の使用の停止処分、事業の停止処分又は警告を受けていないこと。
⑤ ③の方法による点呼を実施する場合は、以下に定めるところにより行うものとする。
(ⅰ) 営業所と当該営業所の車庫間又は営業所の車庫と当該営業所の他の車庫間で行う点呼(以下「旅客IT点呼」という。)の実施方法
ア 運行管理者等は、旅客IT点呼を行う営業所(以下「旅客IT点呼実施営業所」という。)又は当該営業所の車庫において、当該営業所で管理する旅客IT点呼機器(旅客IT点呼において使用する機器をいう。以下同じ。)を使用し旅客IT点呼を行うものとする。
イ 運転者等は、旅客IT点呼実施営業所の車庫において、当該営業所で管理する旅客IT点呼機器を使用し旅客IT点呼を受けるものとする。
(ⅱ) 旅客IT点呼を実施する場合における運輸支局長等への報告関係
ア 旅客IT点呼を実施しようとする事業者には、旅客IT点呼実施営業所を管轄する運輸支局長、運輸監理部長又は陸運事務所長(以下「運輸支局長等」という。)に、旅客IT点呼実施予定日の原則10日前までに別紙1の報告書を提出するよう指導すること。
イ 提出した報告書の記載内容を変更しようとする事業者には、変更の実施に先立ち、当該営業所を管轄する運輸支局長等に別紙2の報告書を提出するよう指導すること。
ウ 旅客IT点呼の実施を終了しようとする事業者には、遅滞なく、当該営業所を管轄する運輸支局長等に別紙2の報告書を提出するよう指導すること。
(ⅲ) 遠隔点呼の実施に係る留意事項
ア 運転者等が遠隔点呼等のみを受け、当該運転者等が属する営業所の運行管理者から長期間対面点呼を受けない場合は、1か月に1回以上、運行管理者が当該運転者等と対面等で会話することで健康状態を把握するとともに、当該運転者等に対する指導及び監督を適切に行うことにより、安全運転の遵守等について指導すること。
イ 遠隔点呼実施時に運転者等の健康状態を確認する際、運転者等の顔の表情や話し方、当該運転者等からの自己申告の内容から総合的に健康状態が判断されるが、遠隔点呼実施時の運転者等の体温、血圧等の測定結果を平時の測定値と比較して判断がなされることが推奨される。
ウ 点呼告示第5条第8号の機能によって電磁的方法により記録され、遠隔点呼実施地点間で共有された事項について、遠隔点呼を受けた運転者等が属する営業所の運行管理者等は、当該遠隔点呼の実施後、速やかに(原則、翌営業日以内とする。)、上記共有事項について確認するよう指導すること。
エ 点呼告示第6条第2号においてビデオカメラその他の撮影機器による確認を求めているのは、なりすまし、アルコール検知器の不正使用及び所定の場所以外での遠隔点呼の実施を防止する趣旨であることから、遠隔点呼実施場所の天井に監視カメラを備える等の対応ができない場合は、運行管理者等が、アルコール検知器使用時に運転者等の全身やその周囲を随時、明瞭に確認できれば、クラウド型ドライブレコーダー、ノートパソコンに内蔵されているWebカメラ、スマートフォン等を使用しても差し支えない。
オ 点呼告示第7条第5号の連絡及び同条第6号の体制の整備がなされるよう、遠隔点呼実施地点間の運行管理者等の間で連絡先を共有し、常時連絡できる体制を整えるよう指導すること。
(ⅳ) 遠隔点呼を実施する場合等における運輸支局長等への届出関係
ア 遠隔点呼を実施しようとする事業者には、遠隔点呼実施営業所及び被遠隔点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に、当該点呼実施予定日の原則10日前までに別紙3の届出書を提出するよう指導すること。
イ 提出した届出書の記載内容を変更しようとする事業者には、変更の実施に先立ち、遠隔点呼実施営業所及び被遠隔点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に別紙4の届出書を提出するよう指導すること。
ウ 遠隔点呼の実施を終了しようとする事業者は、遅滞なく、遠隔点呼実施営業所及び被遠隔点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に別紙5の届出書を提出するよう指導すること。
(ⅴ) 自動点呼の実施に係る留意事項
ア 自動点呼を実施しようとする事業者には、「自動点呼機器認定要領(令和7年6月11日付け国自安第28号)」に基づき、国土交通省の認定を受けた自動点呼機器を使用するよう指導すること。
イ 運転者等が自動点呼等のみを受け、当該運転者等が属する営業所の運行管理者から長期間対面点呼を受けない場合は、1か月に1回以上、運行管理者が当該運転者等と対面等で会話することで健康状態を把握するとともに、当該運転者等に対する指導及び監督を適切に行うことにより、安全運転の遵守等について指導すること。
ウ 業務前自動点呼を行う前までに、運転者等の平時の体温及び血圧の値を10日分程度取得し、業務前自動点呼実施時における当該運転者等の平時の値を把握すること。なお、当該値については、第2 1条第5項に基づく健康状態の把握等により定期的に確認し、随時見直すことが推奨される。
エ 点呼告示第10条第1号においてビデオカメラその他の撮影機器による確認を求めているのは、なりすまし、アルコール検知器の不正使用及び所定の場所以外での自動点呼の実施を防止する趣旨であるところ、自動点呼実施場所の天井に監視カメラを備えることをはじめとして、運行管理者等が、自動点呼機器操作時の様子及びアルコール検知器使用時の運転者等の全身やその周囲を自動点呼実施中又は終了後に明瞭に確認できれば、ドライブレコーダー、ノートパソコンに内蔵されているWebカメラ、スマートフォン等を使用しても差し支えない。
(ⅵ) 自動点呼を実施する場合等における運輸支局長等への届出関係
ア 自動点呼を実施しようとする事業者には、自動点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に、当該点呼実施予定日の原則10日前までに別紙6の届出書を提出するよう指導すること。
イ 提出した届出書の記載内容を変更しようとする事業者には、変更の実施に先立ち、自動点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に別紙7の届出書を提出するよう指導すること。
ウ 自動点呼の実施を終了しようとする事業者は、遅滞なく、自動点呼実施営業所を管轄する運輸支局長等に別紙8の届出書を提出するよう指導すること。
⑥ 補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合であっても、当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければならない。
⑦ 「酒気帯びの有無」は、道路交通法施行令第44条の3に規定する血液中のアルコール濃度0.3mg/mℓ又は呼気中のアルコール濃度0.15mg/ℓ以上であるか否かを問わないものである。
⑧ 「夜間において長距離の運行を行う事業用自動車の運行の業務に従事する運転者等」とは、運行指示書上、実車運行(旅客の乗車の有無に関わらず、旅客の乗車が可能として設定した区間の運行をいい、回送運行は実車運行には含まない。以下同じ。)する区間の距離が100kmを超える夜間運行(実車運行を開始する時刻若しくは実車運行を終了する時刻が午前2時から午前4時までの間にある運行又は当該時刻をまたぐ運行をいう。)を行う事業用自動車の運行の業務に従事する運転者等をいい、交替運転者が当該事業用自動車に添乗している場合は当該交替運転者を含む。
(2) アルコールを検知する機器(以下「アルコール検知器」という。)の使用等(第4項)
① アルコール検知器は、アルコールを検知して、原動機が始動できないようにする機能を有するものを含むものとする。
② アルコール検知器は、⑦の場合を除き、当面、性能上の要件を問わないものとする。
③ 「アルコール検知器を営業所ごとに備え」とは、営業所若しくは営業所の車庫に設置され、営業所に備え置き(携帯型アルコール検知器等)、又は営業所に属する事業用自動車に設置されているものをいう。
④ 「常時有効に保持」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことをいう。
このため、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、次のとおり、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならない。
イ 毎日(アルコール検知器を運転者に携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させる場合にあっては、運転者の出発前。ロにおいて同じ。)確認すべき事項
(イ) アルコール検知器の電源が確実に入ること。
(ロ) アルコール検知器に損傷がないこと。
ロ 毎日確認することが望ましく、少なくとも1週間に1回以上確認すべき事項
(イ) 確実に酒気を帯びていない者が当該アルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知しないこと。
(ロ) 洗口液、液体歯磨き等アルコールを含有する液体又はこれを希釈したものを、スプレー等により口内に噴霧した上で、当該アルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知すること。
⑤ 「目視等で確認」とは、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等で確認することをいう。なお、対面でなく電話その他の方法で点呼をする場合には、運転者の応答の声の調子等電話等を受けた運行管理者等が確認できる方法で行うものとする。
⑥ 「アルコール検知器を用いて」とは、対面でなく電話その他の方法で点呼をする場合には、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させ、及び当該アルコール検知器の測定結果を電話その他の方法(通信機能を有し、又は携帯電話等通信機器と接続するアルコール検知器を用いる場合にあっては、当該測定結果を営業所に電送させる方法を含む。)で報告させることにより行うものとする。
営業所と車庫が離れている等の場合において、運行管理者等を車庫へ派遣して点呼を行う場合については、営業所の車庫に設置したアルコール検知器、運行管理者等が持参したアルコール検知器又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用することによるものとする。
⑦ ⑥の規定にかかわらず、対面でなく電話その他の方法で点呼をする場合であって、次のイからハの営業所(以下「他の営業所等」という。)において乗務を開始又は終了する場合(ロ又はハの営業所にあっては、ロ又はハの運行を行う場合に限る。)、運転者に他の営業所等に備えられたアルコール検知器(この場合のアルコール検知器は、他の営業所等に常時設置されており、検査日時及び測定数値を自動的に記録できる機能を有するものに限る。)を使用させ、及び当該アルコール検知器の測定結果を電話等により所属する営業所の運行管理者等に報告させたときは、「当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器」を用いたとみなすものとする。
イ.同一事業者の他の営業所
ロ.共同運行(一般乗合旅客自動車運送事業の同一の運行系統に関して二以上の事業者が共同して行う運行であって、停留所等の設備を共用する運行の形態をいう。)を行う事業者の、当該運行に係る営業所
ハ.道路運送法第35条第1項の規定による許可を受けて管理の委託及び受託の運行を行う事業者の、当該運行に係る営業所
⑧ 運転者に他の営業所等のアルコール検知器を使用させる場合は、次の規定を遵守することとする。
イ.アルコール検知器の使用方法等については、運転者の所属する営業所及び他の営業所等の双方の運行管理規程に明記するとともに、運転者、運行管理者等その他の関係者に周知すること
ロ.⑦のロ又はハの営業所のアルコール検知器を使用させる場合にあっては、双方の事業者間においてアルコール検知器の使用方法等に関する取り決めを行うとともに、契約書等の書面により保存すること
⑨ ⑥による方法又は⑦による方法のいずれの場合であっても、他の営業所等において乗務を開始又は終了する場合には、他の営業所等に所属する運行管理者等の立ち会いの下で検査を実施するよう事業者を指導することとする。また、⑦による方法の場合には、アルコール検査をより一層確実に実施する観点から、運転者の所属する営業所において、一定期間ごとに、他の営業所等から測定結果の記録又はその写しの送付を受けるとともに、その確認等を行うよう事業者を指導することとする。
(3) 業務前、業務後及び業務途中の点呼等の記録等(第5項)
点呼の確実な励行を図るため、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容を記録し、かつ、その記録の保存を1年間(一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては3年間)義務付けたものであるが、点呼等の際には、次の①~③の事項について記録しておくこと。また、点呼告示に規定される点呼を行った際には、当該告示に基づき、次の④の事項についても記録しておくこと。なお、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容の記録、保存については、「運行記録計による記録等の電磁的方法による記録・保存の取扱いについて」(平成10年3月31日付け自環第72号)によらず、書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えない。ただし、一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては、書面ではなく電磁的方法による記録の保存をしなければならない。
一般貸切旅客自動車運送事業者による電磁的記録の保存には、点呼記録をシステムに入力して即座に自動的に保存されるもののみならず、パソコンの表計算ソフト等で入力したものを改ざんが容易でない方法で保存することや、手書きの点呼記録簿等をスキャナ(スマートフォンやデジタルカメラ含む)で読み取った形式で保存することを含む。いずれの記録においても、改ざんが容易でない形で保存する作業は、点呼を実施した日から1週間以内に保存すること。
① 業務前点呼
イ.点呼執行者名
ロ.運転者等の氏名
ハ.運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
ニ.点呼日時
ホ.点呼方法
(イ)アルコール検知器の使用の有無
(ロ)対面でない場合は具体的方法
ヘ.運転者の酒気帯びの有無
ト.運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況
チ.日常点検の状況
リ.指示事項
ヌ.その他必要な事項
② 業務後点呼
イ.点呼執行者名
ロ.運転者等の氏名
ハ.運転者等が従事した運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
ニ.点呼日時
ホ.点呼方法
(イ)アルコール検知器の使用の有無
(ロ)対面でない場合は具体的方法
ヘ.自動車、道路及び運行の状況
ト.運転者の酒気帯びの有無
チ.交替運転者等に対する通告
リ.その他必要な事項
③ 業務途中点呼
イ.点呼執行者名
ロ.運転者等の氏名
ハ.運転者等が従事している運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
ニ.点呼日時
ホ.点呼の具体的方法
ヘ.自動車、道路及び運行の状況
ト.運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況
チ.指示事項
リ.その他必要な事項
④ 点呼告示第7条第12号、第11条第1項第16号及び同条第2項第13号に基づきあらかじめ定めた点呼実施場所について、以下のとおり記録するよう指導すること。
(例)○○県××市 △△(実施場所概要:車内、宿泊施設名等)
(4) 点呼等の状況の記録(第6項及び第7項)
「録音及び録画」する機器は、点呼実施者・運転者等側双方の音声が確認でき、かつ、運転者等に対して点呼を実施している様子が確認できる映像が保存されていれば、監視カメラ、ノートパソコンに内蔵されているWebカメラ、デジタルカメラ、スマートフォン等幅広く認められる。
点呼時の「録音及び録画」データ及び呼気の検査を行っている状況の「写真」データ(以下「動画データ等」という。)について、記録日がデータ表示画面や保存日から判別できない場合(例:事業場の撮影を常時行った場合であって、画面データに撮影日が入力されていない場合等)には、記録日がいつであるか分かるように動画データ等と合わせて保存しておくこと。
動画データ等について、事業者内で利用するものの他、国の監査及び旅客自動車運送適正化事業実施機関で実施する巡回指導の際に参照する場合がある。
動画データ等の情報の取扱いについて、あらかじめ従業員に同意を得ておくことが望ましい。また、従業員のプライバシーに配慮するため、動画データ等について、必要に応じてアクセスできる者の制限、パスワードの設定、ウイルス対策等を実施することが望ましい。
録音、録画及び撮影する機器(以下「録画機器等」という。)について、正常に作動しているか確認をすること。録画機器等が故障した場合にあっては、その後数日間録音、録画及び撮影ができない恐れがあることから、それを証するものとして故障日時、故障内容について記録し、90日間電磁的方法で保存すること。また、故障した機器については速やかに修理又は交換を行うこと。
以上をふまえつつ、点呼について、特に以下の項目が適切に実施されているか確認しましょう。
○業務前点呼の場合
①酒気帯びの有無について、運転者の状態を目視等で確認しているか
②アルコール検知器を使用しているか
③疾病・疲労・睡眠不足の有無について確認を行っているか(どれか1つでも欠けていたらダメ)
④日常点検を実施し、結果内容を踏まえ「整備管理者もしくは整備管理補助者」による運行可否決定が適切に行われているか
(ただし、整備管理補助者については、整備管理規程等で運行の可否決定の判断を補助する職務の範囲で委譲された場合のみなので職務範囲に注意)
⑤安全に関する指示がなされているか(指示事項)
○業務後点呼の場合
①酒気帯びの有無について、運転者の状態を目視等で確認しているか
②アルコール検知器を使用しているか
③報告事項(運行状況、道路状況、車両状況)が適切に報告されているか
④交替運転者がいる場合の運行において、交替運転者に対する通告内容を適切に報告されているか
④の内容を適切に把握されていないことがあるので補足します。交替運転者に対する通告というのは運輸規則第24条第2項後段において「当該運転者が他の運転者と交替した場合にあっては、当該運転者が交替した運転者に対して行った第15条の2第8項第10号又は第50条第1項第8号の規定による通告」とされているものです。第15条の2については特定自動運行に係る規定のため本項目での説明は割愛しますが、運輸規則第50条第1項第8号というのは、運転者の遵守事項に係るもののひとつで「乗務を終了したときは、交替する運転者に対し、乗務中の当該の自動車、道路及び運行の状況について通告すること。(後略。なお解釈運用通達第50条が追加されており、交替時の点検項目の詳細が規定されています)」とされているので、A運転手がB運転手に交替して乗務を終了した場合に、A運転手が帰庫点呼時に運行管理者に対して、B運転手に対して通告した内容を報告する、というものになります。運行管理者側が交替する運転者に対して通告する内容、ではないので注意しましょう。また、解釈運用通達における点呼簿の記載事項において、この項目は「交替運転者に対する通告」とだけされていて、「交替運転者に対する通告の有無」とはなっていないことから、通告した具体的内容を記録しておく必要があります。
この「具体的内容を記録する」という点は業務前点呼や業務途中点呼の場合における指示事項でも同様です。具体的に指示をした内容を記載する必要があるので、指示をした旨のレ点チェックのみしか記載していない点呼記録があった場合には記載不備となる可能性が高いので注意しましょう。
○業務途中点呼の場合
①報告事項(運行状況、道路状況、車両状況)が適切に報告されているか
②疾病・疲労・睡眠不足の有無について確認を行っているか(どれか1つでも欠けていたらダメ)
③安全に関する指示がなされているか(指示事項)
業務途中点呼は、運行の途中で行う点呼になるので、今まで運行していた分に関する報告と、これから運行する分に対する指示が合わさった形になっています。
運行途中であるため、飲酒する可能性がないことから、酒気帯びの有無の確認やアルコール検知器の使用については行わなくてよいとされています。
省令で定められた点呼事項を実施していない場合には、点呼実施不適切として違反点数がつくことになりました(令和6年9月25日付の行政処分基準改正によります。それ以前は点呼実施不適切として違反点数が付与されるものは「アルコール検知器による酒気帯びの有無の確認をしていない点呼」と、「疾病・疲労の有無について、報告及び確認をしていない点呼」の2つだけでしたが、令和6年9月の改正で「省令に規定される点呼事項のうち一部が実施されていない点呼」となりました)。業務前点呼における運行可否決定については意外と盲点になりがちで、日常点検を行って運行可否決定自体は行っているが、整備管理者もしくは整備管理補助者によるものではない、というケースが起こり得ます。特に、整備管理者もしくは整備管理補助者として選任(=兼務)されていない運行管理者もしくは運行管理補助者が点呼を実施する場合、その運行可否決定について整備管理者もしくは整備管理補助者の関与がどのようになっているのか、今一度社内体制を見直してみてください。指示事項については最近だとコロナ対策関係しか記載していないケースがあります。それも確かに重要な項目ではありますが、法で求められているのは安全運行に関する指示内容なので、コロナ対策のみ(換気の徹底等)だけでは不適切とされる危険性が高いです。
点呼の記載等について、特に注意していただきたい項目をピックアップします。
①点呼執行者
家族経営等で同じ苗字の人が複数人管理者等で在籍している場合、誰が行った点呼なのか、記録において明確になっているかどうか確認してください。苗字ではなく名前の方を記載する方法や、ハンコの種類で区別する方法の他、ハンコと手書きとで区別という方法でも、分かれば大丈夫です。
②点呼方法
電話点呼のはずなのに対面に印をつけていたり、その逆もあったりします。記載や印つけそのものを忘れていることもあります。ケアレスミスであることも多いかと思いますが、都度記録せず、後でまとめて点呼簿を記載しているような場合に発生しやすいです。少し話が逸れますが、巡回指導や監査においては、後でまとめて点呼簿を書いているかどうかわかってしまうこともあります(ハンコの角度、濃さ、重なり具合。訂正されている場合の現象(後でまとめて書くという行為をしていないと発生しえないような訂正)等)。
③点呼日時
細かい記載不備が多いです。5分~10分単位で丸め込んで時刻の記載を行うケースがあるかと思いますが、丸め込むルールが社内で統一されていないことが多く、日報やチャート紙と比較すると時間が逆転していることがあります(点呼前に出庫、点呼後に帰庫等。デジタコで1分単位まで時刻の記録が残っている場合には特に発生しやすいです)。
④睡眠不足の確認の有無
平成30年から追加された確認項目ですが、点呼簿の様式上睡眠不足の確認に関する項目が欠落しているものを引き続き使用している事業者が何社かありました。巡回指導においては新しい様式を渡しておりますが、時間が経つにつれ過去の様式に戻ってしまっていたりすることもありました。ちなみに、運行管理規程の内容とは異なり、点呼簿の記載においては睡眠不足の確認の有無の項目は明記しておく必要があります。
⑤指示事項
具体的に指示をした内容を記載してください。単に指示しただけのレ点チェックのみとかであれば記載不備と判断される可能性が高いです。なお、点呼簿のどこかに「本日の安全目標」というような形で指示事項の記載があり、それを全員に伝達している、というのが分かれば、個別の指示事項欄はレ点チェックのみでも構いません。
⑥交替運転者に対する通告
内容については前述の通りです。交替運転者が発生する運行は多くないと思いますが、発生している運行があった場合には記載を忘れずに。
いわゆる「中抜け」の点呼と「業務途中点呼」とを混同している場合があります。
中抜けの点呼なのに、記載を業務途中点呼の欄を使用して、業務途中点呼に関する項目のみ記録していることがあり、この場合は記録事項に差が出てしまうので必然的に記載不備となってしまいます。中抜けの点呼はあくまでも拘束を解いて休息時間に入れるためのものですから、「業務後点呼」と「業務前点呼」とに記録が分かれるのが前提です。業務途中点呼は深夜・長距離の場合に途中で点呼を行う、というものであるので、根本的に取扱いが違います。なお、業務途中点呼の欄を使用していても、適切に業務後点呼と業務前点呼の内容の記載事項が具備されていれば問題はありません(とはいえ、その場合だと様式と記載内容がずれてくるので、非常に書きづらいものになってしまうことになりますのでおすすめはしません)。また、「中間点呼」という言い方をしている事業者やそのような記載がされている様式もありますが、「中間点呼」は基本的には貨物事業で使用する言葉です。旅客事業では、解釈運用通達第24条(3)③において、明確に「業務途中点呼」と表記されています。一方、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」という、貨物の安全規則における解釈運用通達においては第7条で「中間点呼」という文言が使用されていますが、この貨物でいう中間点呼というのは、業務前点呼及び業務後点呼がともに対面で実施できない業務を行う場合に、業務途中に1回実施する点呼である。これが適用されるのはいわゆる2泊3日以上の運行のような場合が基本のイメージです。さらに、貨物事業においてはこのような中間点呼を実施する必要があるような運行の場合にのみ運行指示書の作成が義務付けられています。同じ言葉や似たような言葉であっても業態の違いで扱いが全然異なるので、間違えないよう整理しておいてください。複数の業態の許可を保有している事業者におかれましては改めて整理してください。
補助者による点呼は全点呼回数の3分の2以下までしか出来ません。3分の2を超えて補助者が点呼を行っていた場合には、「補助者点呼3分の2超」の違反となります。
「運行管理体制違反」も発生していることがありますので注意してください。運輸規則第21条の2においてうたわれているものですが、これについては一般的には「運行管理者に連絡の取れる体制を構築しておかなければいけない」と整理されていると思いますが、実際のところの判断基準としては、「選任されている運行管理者全員が同時にバスを運転(運転者として運転している状態を指します。車掌や介助者等で乗務している場合は含まないこととされています。『「運行管理制度の強化」に関する質疑応答集』No.12参照)している記録が確認された場合」に運行管理体制違反が成立します。これが拡大解釈されて、「バスの運行中、管理者は営業所から絶対に離れてはいけない」と認識されているケースがありmしたが、そこまで縛り付けるものではありません。連絡が取れる体制であれば営業所に必ずしもいなくてもよいです。しかし、管理者が全員運転している記録があった場合には、管理者に連絡が取れる体制になっていないと認定できることから、この場合に違反となります。
点呼簿の作成についてですが、複数の業態を兼業している事業者においては、1枚の点呼簿様式に全業態の運行の点呼記録を記載していることがあると思いますが、それ自体は問題ありません。点呼記録として記載すべき事項が網羅されていれば、業態別に様式を作成する必要はないです。運輸規則にも解釈運用通達にもそのような文言はありません。
点呼実施の必要性について
問:特定旅客と一般貸切との両方の許可を持っている事業者において、1日の中で特定の車両と貸切の車両とを乗り換えることを恒常的に行っていた。具体的には、運転者Aが午前は貸切車両C、午後は特定車両Dに乗務し、運転者Bが、午前は特定車両D、午後は貸切車両Cに乗務していたもの(相互に乗り換える)。しかしながら、この乗換の際に点呼を行っていなかった。実施していなくても問題はないか。
回答:点呼の実施が必要(関東運輸局自動車監査指導部からの回答)。
拘束時間か休息期間かという区切りで点呼を整理してしまうと、拘束時間中の乗換になるので、一見すると点呼はしなくてもよいと思われますが、業態ごとに乗務の開始及び乗務の終了時に点呼を行う、というのが条文の書き方になっているので、他の業態の車両に乗り換える際には点呼が必要となるとのことです。当然アルコール検知器も使用しなければならなりません。
また、乗換の際に、次に乗務する運転者に対する通告を行い、1日の終了時の帰庫点呼の際に、管理者に通告内容を報告する、ということも必要となります。
なお、業態が違うので、点呼執行を行う際の資格者についても要注意です。貸切と特定とで兼任になっていない者が点呼執行する場合、別々の者が点呼を行わないといけません。
令和6年4月から点呼の録音・録画の義務化が始まりました。この録音・録画の実施に関する内容については、「貸切バス事業者のみなさま」「令和6年4月1日スタート」と見出しがあるパンフレットに一通りの内容が記載されているが、令和7年度からの巡回指導において、点呼の録音・録画に関して指摘を行った場合には再巡回の対象とされております。
以下に留意すべき内容を挙げます。
天井に備え付けの監視カメラ、スマートフォン、パソコン内蔵のWebカメラで保存する等、機器は問われませんが、録音・録画の両方が記録できること、運転者を識別できることが必須です。
電話点呼の場合は、点呼実施者・運転者双方のやり取りの録音が残っていないといけません。
スマートフォンの録音アプリ、通信事業者が提供する通話録音サービス、電話のスピーカーフォンとボイスレコーダーで保存する等、録音方法も問いません。
機器が故障した場合は、故障内容及び日時を記録して電磁的方法で90日間保存し、機器を速やかに修理、交換してください。
運行管理者等の点呼執行者側の顔が識別できる必要はありません。点呼執行者がその場にいることが分かるようにするため、姿が入っている必要はありますが、運転者とは異なり、顔の識別までは求めていません。
録音・録画が適切に出来ているか定期的に確認しましょう。ある日は出来ているが、別の日には出来ていなかった、というケースが散見されます。
統計が出ている令和6年度の巡回指導では、
録音・録画をするための機器自体が設置されていなかった営業所 1%
機器はあったが録音・録画を実施していなかった営業所 6%
録音・録画は実施していたが、記録事項に不備があった営業所 3%
という記録が残っています。
機器自体が設置されていない場合や、機器はあったが録音・録画を実施していなかった場合、というのは明確に分かるかと思いますが、「記録事項に不備があった」場合については解釈が明確にされていません。関東運輸局とも確認したところ、これについては「録音・録画すべき要素が音声や映像内に入っていないもの」と理解してください。その具体例としては、運行管理者の姿が入っていない(顔まではいらないが姿そのものは入っていないといけません)、運転者の顔が識別できない、対面点呼で映像が残っておらず音声のみしかない、対面点呼で音声が入っておらず映像のみしかない、電話点呼の録音において運転者側の音声が入っていない、カメラの角度がいつの間にかずれてしまっていたり、カメラの前に物を置いてしまったりしたために映すべき内容が映されていない、といったものが挙げられます。
点呼記録については電磁的記録にして3年間保存することも義務化されました。これは記録の事後的な改ざん防止のためです。点呼を実施してから「1週間以内」に電磁的記録にしなければなりません(趣旨的に時間を空けすぎてしまうと意味がないため)が、1週間を過ぎても電磁的記録に保存されていなかったケースが令和6年度に1割近く発生していました。だいたいのケースが、月ごとにまとめて電磁的記録に保存しようとしていて、1週間を過ぎても実施をしていなかったものです(1週間ずつ電磁的記録に保存をした後に1か月分を1つのファイルにまとめなおすこと自体は否定されませんが)。極一部の事業者においては、そもそも電磁的記録への保存の認識自体がなかったこともありました。
なお、Excel等の表計算ソフトで点呼記録を作成している事業者も多いと思われます、Excelファイルそのものでの保存は編集が可能になってしまうので、別途PDFファイル化しておくことをお願いしております。Excelファイルにパスワードをかけて容易に編集できないようにする手段でもよいとされていますが、点呼記録を使用する管理者自身がセキュリティ担当のような場合には、セキュリティの意味がないため好ましくありません。
以下に参考資料を掲載しておきます。
点呼記録簿様式(Excelファイル)
指示事項の例(Wordファイル)
令和6年4月改正パンフレット(PDFファイル)

