事業を行っていくうえで、営業所や休憩施設、車庫を移転されたり、車両を入れ替えたりと、様々な手続きを行うことがあります。
ここではそういった事業計画等の変更を行う際の手続きについて、申請書様式と合わせてご説明いたします。

事業計画変更認可申請書兼届出書様式(関東版)(Wordファイル)
↑これが代表的な様式例です。ファイルの3ページ目に添付書類一覧表が入っています。

この様式を使える申請手続き等は以下の通りです。各項目をクリックすると詳細説明が表示されます。
項目の見出しにありますとおり、内容によって、事前認可申請だったり、事前届出だったり、事後届出だったりと変わりますので、行いたい手続きとその申請等の時期を間違えないように注意してください。
なお、認可申請と届出とを一緒の書面に記載して提出した場合、認可申請の処分が出るまで届出の効力は発生しません。

①主たる事務所の名称および位置が変更となった場合(事後届出)

 主たる事務所とは、貸切バス事業を統括している場所だと理解してください。変更後なるべく早くに届出をしてください。

②氏名・名称又は住所が変更となった場合(事後届出)

 会社の名称(有限会社が株式会社になった場合等もこれに該当します)や、登記簿上の事業者住所が変更となった場合です。変更後なるべく早くに届出をしてください。

③営業区域を変更しようとする場合(事前認可申請)

 営業所を新しい都道府県に新設する場合や、今ある営業所を他の都道府県に初めて移転する場合に他の項目と合わせて申請します。単独で申請するケースとしては隣接営業区域の拡大があげられます。標準処理期間は4か月程度とうたわれていますが、申請内容によってかなり前後します。

④営業所の位置を変更しようとする場合(事前認可申請)

 営業所を移転したり、新しく営業所を設置する場合に申請します。時々、「営業所を移転したので届け出ます」という誤った取り扱いをされるケースがあるので注意しましょう。認可を受けてからでないと新しい営業所は使用できません。
 また、都市計画法上の市街化調整区域に該当する場所や、建築基準法における用途地域上、貸切バスの営業所としての利用が不可な場所には設置できませんのでご注意ください。詳しくは市町村にご相談ください。
 ④単独ではなく、③⑤⑥⑦の項目と合わせて申請することがほとんどです。標準処理期間は4か月程度とうたわれていますが、申請内容によってかなり前後します。

※営業所の移転の認可を受けた後に行うこと(忘れがちです)

1.運行管理者および整備管理者の選任届にて、営業所の住所変更を運輸支局の整備部門保安担当に提出します。
2.1.で整備部門保安担当から受け取った当該控えを持って運輸支局の輸送部門に向かい、「事業用自動車連絡書」及び「手数料等納付書」に経由印を押印してもらいます。その際、車検証の写し(電子車検証の場合は、使用の本拠の位置等の詳細情報が表示されている「自動車検査証記録事項」を出力したもの)をあらかじめご用意し、持参するようにしてください。
3.新しい営業所の所在地を管轄する運輸支局もしくは自動車検査登録事務所にて車検証の記載変更を行います。手続きの詳細については(自動車検査登録総合ポータルサイト)をご参照ください。その際、管轄が変わる場合にはナンバーを変更しなければならないので、車両の持ち込みが必須となります。また、ナンバーが変わらない場合でも使用の本拠の位置の記載変更は行わなければならないので、忘れずに手続きを行うようにしてください。

⑤休憩・仮眠施設が変更となった場合(事後届出)

 乗務員が休憩・仮眠するための施設が新設、移転、平米数が変更となった場合に届出が必要となります。営業所や車庫からいずれも直線2km圏内になければなりません。④や⑥の申請と合わせて行われるケースが大半となりますが、この施設のみの変更の場合には事後届出となります。

⑥自動車車庫を変更しようとする場合(事前認可申請)

 貸切バスを駐車させる車庫を新設したり、今ある車庫の場所や平米数を変更しようとする場合に申請します。これも事前認可申請ですので、認可を受ける前に新しい車庫を使用してはいけません。新設する場合、営業所や休憩施設からいずれも直線2km圏内になければなりません。また、審査基準上、「他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。」という要件があるため、車庫として認可を受けた区画に貸切バス以外の車両を停めたり、資材置き場として利用したりすることはできません。認可後にどうしても事情があって貸切バスの駐車区画以外の目的で使用したい場合には、その区画を車庫の面積から減らす申請を行う必要があります。

⑦営業所ごとに配置する事業用自動車の数を変更しようとする場合 ⑧車種別の車両数を変更しようとする場合(事前届出)

 いわゆる増減車の手続きがこれになります。変更する7日前までに届出を行う必要があります。
 同一都道府県内における複数の営業所にまたがる増減車についてもまとめて届出することが可能です。
 都県を跨る営業所間の車両移動(東京都の営業所から神奈川県の営業所に車両を移動させる等)の場合には、各都県ごとに増車や減車の届出を行うようにしてください。
 増車の場合と減車の場合とで添付書類が変わります。届出書の様式中に添付資料一覧がありますので、よく確認してご準備ください。

⑨営業所の名称が変更となった場合(事後届出)

 営業所の名称のみを変更する場合がこれになります。変更後なるべく早くに届出をしてください。

⑩事業を廃止しようとする場合(事前届出)

 事業廃止予定日の30日前までに届出をする必要があります。事後届出ではなくなっておりますのでご注意ください。

⑪事業を休止しようとする場合(事前届出)

 事業休止期間が始まる30日前までに届出をする必要があります。事後届出ではなくなっておりますのでご注意ください。

⑫休止していた事業を再開した場合(事後届出)

 休止から事業を再開した場合の届出になります。再開後なるべく早くに届出をしてください。

⑬法人の役員が変更となった場合(事後届出)

 代表権をもつ役員が変わった場合には変更後なるべく早くに届出をしてください。
 代表権をもたない役員が変わった場合には、7月1日~6月30日の期間に係る内容について7月31日までに届出をしてください。
 新任の役員がいる場合については、様式4の宣誓書「道路運送法第7条(欠格事由)各号に該当していないことを宣誓します。」の添付が必要となります。新任かどうかは、届出書様式の1ページ目の新旧欄で照らし合わせて確認することとなります。

⑭法人の定款が変更となった場合(事後届出)

 会社の定款が変更になった場合についても届出が必要です。新旧の定款を添付してなるべく早くに届出をしてください。

⑮譲渡譲受・⑯合併・⑰分割 それぞれの認可を受け、認可後の手続きが終了した場合(事後届出)

 新規許可時の運輸開始に相当する届出です。それぞれの申請認可を受け、手続きが終了した後なるべく早くに届出をしてください。

補足説明
・事後届出において「なるべく早くに届出をしてください」と案内をしているのが多数ありますが、法令上、これらは「遅滞なく」という表現を使っています。この「遅滞なく」ですが、「事情の許す限りはやく」という意味合いとなり、具体的にいつまでという期限が付されているものではないとされています。届出を失念することだけはしないよう、気をつけてください。